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【2024/04/26 16:02 】 |
従業員の秘密保持義務
顧問弁護士(法律顧問)が日々接する論点をメモ的にまとめております。ただ、法律は改正が繰り返され、また、日々裁判例・先例が積み重なっていきますし、法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮するべきことが異なるため、一般的な知識だけでは問題解決に結びつかないことがあります。特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代請求、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です。この点ご留意ください。

今回のテーマは、従業員の秘密保持義務についてです。

東京高裁(古河鉱業足尾製作所事件)は、従業員のした使用者の業務上の秘密漏えい行為が政治活動に当たるとしても、右行為が労働協約、就業規則に定める懲戒事由に該当する以上、当該従業員は懲戒責任を免れるものではないと判断しました。該当箇所の判決文は以下のとおりです。

労働者は労働契約にもとづく附随的義務として、信義則上、使用者の利益をことさらに害するような行為を避けるべき責務を負うが、その一つとして使用者の業務上の秘密を洩らさないとの義務を負うものと解せられる。信義則の支配、従つてこの義務は労働者すべてに共通である。もとより使用者の業務上の秘密といつても、その秘密にかかわり合う程度は労働者各人の職務内容により異るが、管理職でないからといつてこの義務を免れることはなく、又自己の担当する職務外の事項であつても、これを秘密と知りながら洩らすことも許されない。 このことは、工員をもつて組織する組合の加入する足製連が会社と結んだ労協、及び工員のみを対象とする就規が、従業員に右のような義務があることを前提として、それぞれ会社の業務上重要な秘密を洩らした者を懲戒解雇する旨定めていることからも、明らかである。懲戒は企業秩序をみだす行為に対する制裁であり、労協五七条三号、就規七三条六号は、会社の業務上重要な秘密が守られることを企業秩序維持の一つの柱と考え、これを他に洩らした者に懲戒解雇をもつて臨むことを定めたものである。懲戒制度の目的からみれば、この構成要件は必要かつ十分であつて、このほかに、労協等に明文がないにもかかわらず、敢て綾部ら主張のような情報取得の反社会性、暴露行為の目的及び結果の反社会性、さらに企業秩序の侵害のような要件を必要とするものとは解せられない。

秘密保持義務に違反する行為は、従業員にとって、大きなペナルティを課される可能性がある行為といえるでしょう。

ご不明な点は、顧問弁護士に相談してください。また、不当な解雇交通事故の示談の問題など法律問題でお悩みがある方も、気軽に弁護士にご相談ください。

当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによりできあがっているため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など)に個別に相談することを強くお勧めします。
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【2010/07/28 14:10 】 | 顧問弁護士(法律顧問)が扱う事例
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